一月の中旬のことです。
3年前に夫に恋人ができたことで揉めたあげくに、
後ろから羽交い絞めにされて手に包丁を握らせられ、
「これでお前を突いてやる。この形であれば俺は罪に問われない」
と言われたり、首を絞められたり、その時の夫の凄い形相が怖くなり、
痴話喧嘩のあげくお里に逃げ帰り、離婚訴訟を起こし3月に結審という奥様がいらっしゃいました。
私は「貴女が離婚を決心をしているのにもかかわらず、
何故どうしてこちらに来られてのですか?」と尋ねました。
その奥様が申しますところ、
「実は、離婚原因となりました女性が、自分がかつて夫婦で築いた家に訪れ来て
息子が電話をしてきたので、怒りが込み上げてきてどうしたものか、とここにきてしまいました。」
そこで私は「十年来続いた夫婦不仲の数々の修羅場をくぐったあげくの離婚を目前としていながらも、
心を痛めるような悩みの種が噴き出すという原因を調べました。」
驚くことにわずか般若心経を2巻拝んだところで、
水子とともに亡くなった女性が出てきて、自分の好きな着物を着たい、足袋を履かせてと申しました。
そこで、その相談者にそのよしを告げますと、相談者の姉が子宮外妊娠破裂で亡くなったと話しました。
このお姉さまのご供養ををすれば、貴方の悩みが軽減されると、私は申しました。
すると、ご婦人が申すには「今年の1月に7回忌でしたので御坊様をお呼びしてご供養を致しました」と、
供養が至っていれば私の祈りのなかに出てくるわけはないので、私は真言宗西国秘密作法による霊供養を勧めました。
そこで、祭典をもつこととなり、衣桁(和服をかけるハンガー)にお姉さんが好きだった着物と、
足袋も揃えて供養を致しました。
やがて、3月の結審の日にご主人がお里まで迎えに見えて、家庭裁判所に離婚訴訟の取り下げに一緒にいこうとこられ、
その帰りに一緒にわが家に帰りましょう、と申し出られたそうですが、
あの包丁を持たされた時の強烈な夫の顔が思い出されて、怖くて帰る気になれないと断った、と私に伝えられました。
私は6月ごろには子供もいらっしゃることだし、同居できるように祈りますよ、と申しました。
4月の初めにご夫婦でお見えになり、今は同居しているとお礼を申されました。
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